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    「うん」

    「よろしい。承知した」

    「梨地から水神淵へ降りる路ができたからね、そこへ出れば、帰りはずつと楽だ」

    房一はいくらかつんぼの道平の耳に口を寄せて、大声で云つた。

    「どうも遅くなりまして――」

    房一が声をかけて回転椅子を押しやると、

    「どうでした」

    練吉はもうさつきから殆ど一人でぐいぐいやつているにもかゝはらず、むしろ青い顔だつた。

    と、呟き、房一に向つてしきりとうなづいていた。

    「ほう、クレーといふのはカワラケのことかね」

    「あのね、何ですよ――」

    「何かね、わしがどうしたといふんかね」

    稍意地の悪い、きびしい調子であつた。

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