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    又とぎれた。

    「はゝあ」

    徳次はやつと安心した。さう云はれてみると、なるほどちつとは大きいかなと思つた。持つて来た甲斐があるといふものだつた。

    「さあて、帰るかな」

    徳次はいつのまにか腕組みをしていた。あのあてずつぽうな、そゝつかしい、力りきんだ様子が現れていた。

    「それは勝手だが、あんなもの、温泉と思っちゃいかん」

    家賃はいくらでもいいと云うから、こッちで勝手にきめて持たせてやったら、多すぎる、と云って受けとったそうだが、東京の相場の四分の一ぐらいの家賃かも知れない。伊東は家賃がやすい。

    「途中から――?」

    対診に来てくれた練吉のことを気にかけているのだつた。

    と、小谷はひとり言にしては大きい声で云つた。が、代りがないので又水の中へ放つた。

    「どうもおれは、身近かな者だと平気で診られないんだね」

    ここの温泉は、私にも、いくらかヌルすぎる。というのは、胃のところが冷えてくる。けれども胃の上へタオルをのッけておくと、冷感が去るので、入浴しているうちは、たのしい。私は三十分から一時間、時には一時間半はいっていたこともある。だんだん、ねむくなる。枕があったら、このまま、ねむりたい、と思うことがあった。

    しばらく黙つていた後で、房一は

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